目指せ、新規農業ビジネス!

Harvest Day 1 20170217 2000

新しい農業ビジネスの創造を目指す、AG/SUMハーベストが2月17日始まりました。

ハッカソン・アイデアソン形式のこのイベントは2月19日まで開催されます。参加者はそのわずかな時間で、農業の課題を解決する画期的なビジネスアイデアを創出しなければなりません。参加登録者は100名を超え、開会前に来て準備に取りかかったりメンターと話をしたりするなど、熱心な様子が伺えました。

開会式では主催者を代表して、日本経済新聞社の山田康昭・編集企画センター部長が挨拶をしました。「『農業で人を助けたい』で終わるのではなく、新規ビジネスをつくるということを忘れないでほしい」とAG/SUMハーベストの最終ゴールを確認しました。

続いて、数名のメンターの方からお話しをいただきました。

ベジタリア(東京・渋谷)の小池聡社長は、「バズワードに惑わされるな」と力強く訴えました。人工知能やIoTなど、「最先端」にこだわるだけでは駄目で、「誰のどの問題をどのように解決するのか」こそが成功の鍵だと主張していました。

その熱意のこもった言葉とは対照的に、ロフトワーク(東京・渋谷)の林千晶代表取締役は「体を動かしましょう」と明るい声で参加者を立たせました。「『今晩は寝ないで朝まで頑張るぞ!』という方はジャンプしてください」などと通訳を交えながら呼びかけると、会場は笑いと拍手につつまれました。林さんが率いるロフトワークはFabCafeの運営で知られていますが、その創業メンバーと出会ったのはハッカソンがきっかけだったそうです。

最後に、ハワイからお越しいただいたスマート・イールズのマイケル・ロジャース最高農業責任者が「なぜ今農業なのか」を語りました。前職で西アフリカの国々に何度も足を運んだというロジャース氏は、現地の人の生活の苦しさを目の当たりにしたそうです。「彼らを助けたい」と考え続けた結果、人口の大半が従事している農業を改善すれば、生活も改善されるとひらめきました。アグリテックは世界を救うことができる、と繰り返し主張していました。

以上の3名を含め、ハーベストには計10名のメンターが参加します。

開会式のあとには、まだチームに加わっていない参加者や、メンバーが足りていないチームがメンバーを募集するため、アイデアを披露しました。「ドローンや人工知能を使いたい」「中小規模の飲食店を助けたい」といった、具体的で本格的なアイデアがたくさん上がっていました。出身国も職業も専門も多種多様な参加者ですが、お互いの話に真剣に耳を傾けていました。

その一方、すぐに作業にとりかかるチームも見られました。パソコンでデザインを作成したり、議論したりしているチームのところへメンターが歩み寄ると、参加者たちはたくさんの質問を投げかけていました。「今日は2時間しかいられません」と申し訳なさそうに断っていたメンターの方も3時間、4時間と夜遅くまで参加者の相談にのっていました。

終電がすっかりなくなった時間になっても、作業に没頭する人が20名ほどいました。お弁当やお菓子で体力と脳力を維持しながら、アイデア出しをしていました。午前3時をすぎると寝袋を出し始め、つい先ほどまで作業していた机の隣で仮眠をとる人が出始めました。低いいびきの音と、アイデアを練り続けるチームの静かな声が混ざり合う中、部屋の奥から朝を知らせる目覚まし時計が鳴り響きました。

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