Harvest

ハーベスト勝利チーム紹介!

2月17〜19日にかけて行われた、AG/SUMハーベストの第1ステージの勝利チームを紹介します。

Hacker Farmmedia-photo-Hacker_Farm

提案したサービス名は「GROW TOKYO」。東京には農業に関心を持つオフィスワーカーがたくさんいますが、そのような方々に、 農業について学び、実体験を積む機会を提供します。このサービスに参加したオフィスワーカーの人は1週間に数回、熟練の農業者(メンター)の元で、 学び、都心の空き地などを活用した農場で農業をします。会社で働きながら農業することができれば、会社をやめて農業をするよりも、リスクは抑えられます。情報提供や売り上げのうちの一部を受け取って収益化をはかります。

<受賞コメント> 結果を受けて、チームメンバーのアラン・ウェアさんは「カリフォルニアからわざわざ来て良かった!最高の気分です。ハッカソンは何度も経験しているけど、これほど大きなハッカソンで勝者に選ばれて嬉しい」と言っていました。

PPAPmedia-photo-PPAP

PPAP は、Passionate Profitable Agriculture with Pecanの略です。儲からない、人がいないという日本農業の問題の解決にピーカンナッツの栽培と、最先端をいく技術開発を掛け合わせたビジネスを提案しました。ピーカンナッツは中国やベトナムで人気が高く、稲より収益性が高いのが特徴です。アンチエイジングの効果が期待できる抗酸化成分も多量に含み、高齢化が進む中で需要は高まると見られています。東大の生産技術研究所のセンシング技術、農学生命科学研究科の1000品種のゲノムデータが駆使できるチームです。

<受賞コメント> 岩田准教授からは「東京大学では世の中の役に立つ農業ということを考えてきました。それが少しでも評価されて嬉しいです。PPAPはピコ太郎でなくて、東京大学のPPAPと言われるように頑張ります。ピコ太郎と同じように世界にも出て行きたい。現場の農業に関して教わることもいっぱいあるでしょうし、一緒に仕事ができることあるでしょうし、楽しい農業をやっていきたいと思います」とのコメントをいただきました。

AR TEAMmedia-photo-AR

商品化を目指す「Geosporos」は、人々に地球を緑化する仕組みを教えるゲームです。将来のシミュレーションを通じて、現実の社会での対応にも応用できます。2050年以降、地球の90%以上が砂漠化するといわれています。このゲームではプレイヤーは、実際の地球上の場所に種を植え、害虫や気候変動など様々な要因に対応しながら収穫を目指します。緑を守ることがなぜ重要なのか、何をしなければいけないかを、ゲームを通じて理解できます。事業としての収入はゲームの中でアイテムを販売することで確保するとのことです。

<受賞コメント> 以前からGeoprorosプロジェクトとして進めていたミシェル・モリヤスさんは「ハッカソンに出るのは初めてだったが、特に日本市場での展開に関心を持っていたのでとてもうれしい。ゲームによってデジタルとリアルの世界をつなげたい。サステナビリティと聞くと、未開なイメージを持つ人も多いが、そうではなく洗練されたイメージに変えていきた。表面的にしか理解できないことが、ゲームを通じて理解できるということもあるのではないか」と話していました。

Banana Dreammedia-photo-Banana_Dream

AI(人工知能)で葉脈の画像を記録し、診断する仕組みを開発したいと発表しました。これまで種子・細胞をマイナス60度で凍結してから栽培する技術を開発し、日本でもバナナなどを育てることに成功してきた企業ですが、栽培の際にはその葉脈を見て現在の植物の健康状態を判断していたそうです。しかし、葉脈の画像を人間がきちんと記憶するのは難しいことです。そこでAIに記録し状況診断するシステムにより、スマホに葉脈の画像を送れば遠隔地からでも栽培指導ができ、飛躍的に生産性が向上すると主張していました。

<受賞コメント> 田中さんからは「植物の葉脈は人間でいえば毛細血管と同じで、それを診断すれば状態がすべてわかり、農薬をかけるべき時期や収穫時期など、最適な管理ができる。葉脈診断は自分の経験で得たものだが、これをAIにより広げていくことで、栽培の低コスト化や世界の食料の安定生産につなげたいと考えている」とコメントをいただきました。

Tail media-photo-Tail

水産物のCtoCプラットフォームの構築を発表しました。魚介類は流通過程で数量ベースにして3割が廃棄されています。そのロスを解消するため、漁師や飲食店、市場、消費者が双方向に魚介類の売買をできるようにします。メリットは売り手にとっては「30秒で出品できる」「どんなものでも出品できる」、買い手にとっては「珍し魚が買える」「お得感のある商品が買える」といったことがあげられます。とりあえずTailに出品しておこう、という気持ちを喚起します。売り上げの一部を徴収して収益とします。

<受賞コメント> 田沼さんからは「大学の時、サメとエイの研究をしていました。今はインターネット関係の仕事をしていて、好きな魚とは離れていたのですが、やりたいことを考えるいいきっかけをいただいたと、感謝しています。これから3か月、一歩一歩やるべきことをやっていくつもりです。まずはアプリを作ります。法律関係のところをどのように解決してサービスをローンチするか、ローンチ時点の戦略も重要だと思います。今日指摘された漁業権の問題のように、まだ自分たちに見えていない部分も多いので、アクセラレータープログラムの期間中には、専門家の方から出来る限り多くのアドバイスをいただきたいと思います」とのコメントをいただきました。

The Soil Boosters media-photo-The_Soil_Boosters

農業の様々な問題がある中、一つの要素にフォーカスすることが解決策になるとしたら。私たちが提案するのは、土壌硬度をコントロールすることで、生産効率性を上げることです。そこで、土壌センサーとデータ分析を掛け合わせたデバイスパッケージを作ります。土壌データを集め、アルゴリズムを使って分析し、その土壌状態に合う提案や成分を示します。

<受賞コメント> 寝る時間を削って作業していたこのチームは「3日間で練り上げたアイデアを3分間で全て話すのは難しかったけど、面白かった。僕たちのアイデアが選ばれた理由は、みんなそれぞれ違うバックグラウンドだからこそ違うことを認めて積極的にコミュニケーションを取ろうと努力したことだと思う。あとは、僕たちのアイデアは日本の農業だけじゃなくて、世界の農業問題の解決にもつながる汎用性があるから。今週にまたチームで集まってミーティングします」と意気込んでいました。

Musshiine (虫イイネ)media-photo-Mushiiine

飼育に大量の餌が必要な動物よりも効率よくタンパク質を確保できる食用コオロギの生産を提案しました。コオロギを育てる際にはプラントや工場の排熱を使うことでエネルギーを無駄にしません。パウダーやバーとしての製品化を考えています。肥料や飼料が十分になくても生産できるので、途上国などの食糧難の問題を解決できます。宇宙での食糧問題も解決します。宇宙ステーションでは大小便を廃棄していますが、昆虫ならばそれらを餌にして育てることが可能です。

<受賞コメント> 渡邉さんは「食用コオロギの生産というアイデアは昨年春からいろんな所で発表はしていたが、今回初めて会ったメンバーとチームを組み、自分と違う考えをまじえて議論できたのは合宿のようで楽しかったです。今後5月へ向けて実際に何を作ってどこに売るかといったマーケティング面をブラッシュアップしていきたい。なるべく早くベンチャー企業を立ち上げたいと思っています」と前向きに話していました。

Plus A media-photo-Plus_A

金融機関からの資金調達を支援する「Dynamic Fintech Service 」の実用化を目指します。チームメンバーの株式会社ファームアライアンスが運用している、グローバルGAP対応型のICTによる生産情報管理システム「Farm Records」の情報を担保に、金融機関からの農業融資を促します。農家側には生産拡大や設備投資の要望多い一方、金融側は農業分野へ融資したいものの、経営分析は難しいと感じています。そのはざまを埋めるツールとして提供します。

<受賞コメント> 松本社長は「ハッカソンでは自分たちの常識を超えたアイデアや長期的な視点などに触れることができてとても刺激を受けました。この3日間で枠組みがはっきりしてきたので、5月へ向けて事業ベースを作っていき、できるだけ早期にビジネス化したいです。農業に金融機関からお金が流れていかないという課題は日本に限りません。アジア、アフリカにもビジネスを展開していきたいと考えています」とコメントしていました。

farmece media-photo-farmece

農業データ市場を新たに構築します。農機具にブルートゥースを組み込み、マイクロジオデータを収集します。データを分析すると、農家が病虫害問題に対応している様子などが把握できます。すでに、仕組みは構築しています。東京大学の圃場でデータ取得に成功して、データは海外に販売することもできます。アグリテックデータ先進国を目指します。

<受賞コメント> 「僕らは、一週間前のワークショップで初めて知り合いました。そして、すぐに意気投合しました。なぜなら、『農家である父の、そして日本の農業・農村のために役に立つ仕組みを作りたい』という共通の想いがあったからです。この3日間、僕らは寝る間を惜しんで意見を交わし、知識を共有し合いました。時には議論を戦わせることもあったが、決して相手を尊重することだけは欠かしませんでした。3分間にアイディアをまとめることは難しかったですが、生産者から消費者までみんながwin-winの関係になれる仕組みの一端を見せられたと思います。まずは受賞の喜びを噛み締め、5月の本戦に向けてブラッシュアップしていきたいです」とコメントをいただきました。

KONOBY media-photo-KONOBY

高齢者向けにガラケーを使って圃場データを収集できるサービスを提供します。畑にIoTセンサーを設置し、土壌水分や地温を計測します。そのデータはクラウドを通じてガラケーに入って、閾値を超えたらアラートで知らせます。使うのはNARRROWBANDIOT。月500円で導入できます。既存のスマート農業ではスマートフォンやタブレットを使うのが一般的ですが、高齢者でも使えるサービスを目指します。

<受賞コメント> ツバサ・コンドウ氏「エミさんの『今まで通りの農作業をそのまま続けられるテックで、小さな農家の方の人生を大きく変えることができたら… IoTでそれが可能だったら…農家の方が実際に使えるほど低価格でできたら…小規模な農家の方のデータを集めることで、世界の農業にどのような影響をあたえられるのか…』というビジョンにみんな惹かれました。そして朝から晩もで、このビジョンの実現のためにリサーチし、ビジネスプランとプロトタイプをつくり、ピッチの準備をしました。みんなで一緒に次のステージに進んで、このビジョンを推し進めていけるのが、本当に嬉しいです!」とコメントをいただきました。


AG/SUM 東京農大SAKE SUMMIT

日本で唯一『醸造』『発酵』に関する専門高等教育研究機関があるのが東京農業大学...

「農」の価値と感性は無限大

農園「杉・五兵衛」の𡌛島五兵衛さんにお話を伺いました。大阪だからこそ発揮でき...

生産管理システムで農業者はここまで変われる

生産管理システムをいち早く取り入れた、株式会社HATAKEカンパニーの木村誠...

米を創る理由こそ人生そのもの

熊本県阿蘇市にある巨大カルデラの中で営農する内田農場の田んぼは、350カ所に...

仕組みを取り組みに変える

「農業 x ANY = HAPPY」の方程式のもと、8年間事業を続けてきた株...

AG/SUMハーベスト、ダイジェスト

AG/SUMハーベストの熱い3日間が、びっしり詰まった4分の動画です。ぜひご...

BACK
AG/SUM AGRITECH SUMMIT